講演会

お城のスペシャリストたちが登壇し、ここでしか聞けない貴重な講演会、
トークショーなどを開催予定。

2020年9月20日(日)

A. 基調講演(13:00~14:00) 開城12:00~

テーマ
近江守護・戦国大名の居城
講演要旨
近江守護佐々木六角氏の居城である観音寺城は安土城に先行する石垣造りの城として著名である。六角氏が居城としたのは観音正寺の位置する繖山であり、寺院と共存することに重要な意味があった。湖北の守護である京極氏の居城も上平寺城という寺院を利用したものであった。一方、戦国大名浅井氏は京極氏の被官であった時代は村に居館を構えるだけであったのが、湖北を支配すると小谷城という巨大な山城を構える。小谷築城は浅井氏の独立宣言でもあった。
出演者
中井均(滋賀県立大学人間文化学部教授)

B. 講演(14:40~15:40) 開城14:10~

テーマ
彦根城の近代
講演要旨
江戸時代に譜代大名井伊家の政治拠点だった彦根城は、明治維新後その役割を終えました。不必要とされた城内建築物の取り壊しが進む中、明治天皇の特旨により城郭の保存が決まり、以後彦根城址は様々な形で利用されてきました。本講演では、明治時代から昭和戦前期までを中心に彦根城址がどのように使われてきたのかを振り返ります。
出演者
井伊直岳(井伊家第18代当主)

講演「彦根城の近代」にスペシャルゲスト!?

彦根市キャラクター ひこにゃん

講演「彦根城の近代」にスペシャルゲスト!?

井伊家当主・井伊直岳氏の講演「彦根城の近代」ステージに、彦根城からにひこにゃん が出陣してくれることになりました!

どんな風に登場してくれるのでしょうか!? 楽しみですね!!

C. 講演(16:20~17:20) 開城15:50~

テーマ
賤ヶ岳合戦と玄蕃尾城
講演要旨
賤ケ岳の戦いといえば、信長の死後、羽柴秀吉と柴田勝家が織田家中の主導権を賭けて戦ったものとして有名だが、この戦いの主役はこの二人だろうか。実際には、第三の男・佐久間盛政が主導権を握っていたのではないだろうか。盛政には、どのような勝利へのシナリオがあったのか。この仮説の検証を試みつつ、玄蕃尾城をはじめとする賎ヶ岳周辺の陣城群を紹介していく。
出演者
伊東潤(歴史小説家)
  • 未就学児の厳選プログラムへの参加はご遠慮ください。
  • 都合により内容、出演者などは変更になる場合がございます。

2020年9月21日(月・祝)

D. 講演(10:30~11:30) 開城9:30~

テーマ
築城名人 明智光秀
講演要旨
織田信長家臣として光秀は、近江坂本城をはじめ、丹波でも亀山城・福知山城・周山城などいくつもの城を築いている。特に坂本城はルイス・フロイスが『日本史』の中で、安土城に次ぐ名城と絶讃したほどである。安土城に先行する坂本城の「天主」とはどのような建造物だったのかをみることで、光秀が信長に認められた一面が浮き彫りになるのではないか。また、光秀がどこでそのような築城術を身につけたのかも考えてみたい。
出演者
小和田哲男(日本城郭協会理事長)

E. トークショー(12:30~13:30) 開城11:45~

テーマ
近江の城を語ろう!
講演要旨
戦国・近江の城は、どんなイメージ?なにが魅力?
クリス・グレンと萩原さちこが、近江の好きな城やオススメの城をそれぞれ大発表!
マニアックな萌えスポットや、実際に訪れたときに見逃せないポイントなど、近江の城の見どころや楽しみ方を時間の限り語り尽くします。
出演者
クリス・グレン(ラジオDJ・城マニア)
萩原さちこ(城郭ライター・日本城郭協会理事)

F. トークショー(14:10~15:10) 開城13:45~

テーマ
織田・豊臣時代の近江の城
講演要旨
織田信長・豊臣秀吉が、近江を重要視していたことを二人が築いた城から検証します。信長は、安土城を拠点に琵琶湖水運をフルに利用した「湖に面した城」を構築します。秀吉は、秀次を八幡山城に入れ、旧来からの山城を中心に支城網を整備します。天下統一がなると、近江には石田三成ら豊臣政権の奉行衆の領地となりました。なぜ、こうした違いが生まれたのか、信長と秀吉は、近江に何を求めたかを文献資料や発掘成果を交え考えてみたいと思います。
出演者
松下浩(滋賀県文化財保護課主幹)
小谷徳彦(甲賀市教育委員会 歴史文化財課係長)
加藤理文(日本城郭協会理事)

G. クロージングセッション(15:50~16:50)開城15:20~

テーマ
戦国ワンダーランド滋賀
講演要旨
近江は城の国と言われています。1300もの城があり、多彩でしかもそれぞれ日本を代表する城種のお城が揃っています。2日間の厳選プログラムを総括する形で、お城EXPOレギュラー陣が『地理的要因』『技術的要因』『歴史・文化的背景』など様々な角度から検証し、その魅力を探ります。
出演者
小和田哲男(日本城郭協会理事長)
中井均(滋賀県立大学人間文化学部教授)
加藤理文(日本城郭協会理事)
クリス・グレン(ラジオDJ・城マニア)
萩原さちこ(城郭ライター・日本城郭協会理事)
  • 未就学児の厳選プログラムへの参加はご遠慮ください。
  • 都合により内容、出演者などは変更になる場合がございます。

出演者プロフィール

小和田哲男(日本城郭協会理事長)
小和田哲男(日本城郭協会理事長)

1944年 静岡市に生まれる
1972年 早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了
現在 静岡大学名誉教授、文学博士、公益財団法人日本城郭協会理事長

専門は日本中世史、特に戦国時代史で、主著『後北条氏研究』『近江浅井氏の研究』のほか、『小和田哲男著作集』などの研究書の刊行で、戦国時代史研究の第一人者として知られている。また、NHK総合テレビ「歴史秘話ヒストリア」およびNHK Eテレ「知恵泉」などにも出演し、わかりやすい解説には定評がある。

NHK大河ドラマでは、1996年の「秀吉」、2006年の「功名が辻」、2009年の「天地人」、2011年の「江~姫たちの戦国~」、2014年の「軍師官兵衛」、2017年の「おんな城主 直虎」で時代考証を務め、2020年の「麒麟がくる」も担当している。

主な著書
『戦国の城』(学研M文庫 2013年)
『黒田官兵衛 智謀の戦国軍師』(平凡社新書 2013年)
『戦国史を歩んだ道』(ミネルヴァ書房 2014年)
『戦国武将』(中公文庫 2015年)
『名城と合戦の日本史』(新潮文庫 2015年)
『戦国武将の実力』(中公新書 2015年)
『東海の戦国史』(ミネルヴァ書房 2016年)
『家訓で読む戦国 組織論から人生哲学まで』(NHK出版新書 2017年)
『戦国武将列伝100 戦国時代に何を学ぶか』(メディアパル 2018年)
『明智光秀・秀満』(ミネルヴァ書房 2019年)
『戦国武将の叡智』(中公新書 2020年)

中井均(滋賀県立大学人間文化学部教授)
中井均(滋賀県立大学人間文化学部教授)

1955年生
龍谷大学文学部史学科卒業
(財)滋賀県文化財保護協会、米原町教育委員会、米原市教育委員会、滋賀県教育委員会、長浜城歴史博物館を経て、2013年から滋賀県立大学人間文化学部地域文化学科教授

小学5年生から中・近世の城跡探検をはじめ、現在は日本各地の中世・近世城郭の発掘調査・整備の委員を務める

主な著書
『ハンドブック 日本の城』(山川出版社 2016年)
『城館調査の手引き』(山川出版社 2016年)
『カラー版 戦国の名城50』(宝島社 2018年)
ほか共著含め多数

加藤理文(日本城郭協会理事)
加藤理文(日本城郭協会理事)

1958年生

静岡県浜松市(旧磐田郡水窪町)出身
駒澤大学文学部歴史学科卒業 / 博士(文学)

NPO法人城郭遺産による街づくり協議会監事、(財)静岡県埋蔵文化財調査研究所、静岡県教育委員会文化課を経て、現在、袋井市立浅羽中学校教諭

主な著書
『織田信長の城』(講談社現代新書 2016年)
『静岡県の歩ける城70選』(静岡新聞社 2016年)
『よくわかる日本の城』 日本城郭検定公式参考書(学研プラス 2017年)
『戦国の山城を極める』(学研プラス 2019年)
ほか多数

クリス・グレン(ラジオDJ・城マニア)
クリス・グレン(ラジオDJ・城マニア)

オーストラリア出身。1993 年より、名古屋市在住。

現在は、名古屋のFMラジオ局ZIP-FMにて「RADIO ORBIT」(毎週日曜10時~13時)を担当するほか、日本の魅力を語る外国人としてNHK総合テレビ「ブラタモリ(岐阜編・案内人)」、NHK WORLD「CASTLE QUEST」「NINJA TRUTH」などテレビ出演も多数。趣味は、戦国時代の歴史研究、甲冑武具の研究、城めぐりなど。現在までに巡った城の数は、日本全国500カ所以上、名古屋城にいたっては800回以上にも及ぶ。城、古戦場、博物館等の英語による情報発信や史跡関連の解説文英訳も多数行っている。

主な著書
『豪州人歴史愛好家、名城を行く』(宝島社 2015年)
『The Battle of Sekigahara』(English Edition) (Booklocker 2014年)
『Naganuma Ryu Troop Movement Training Manual: An Edo Period Samurai Military Arts and Sciences Textbook』(English Edition) (Kindle版)

英語翻訳
「城バイリンガルガイド」(小学館 2017年)
「忍者バイリンガルガイド」(小学館 2019年) ほか

萩原さちこ(城郭ライター・編集者・日本城郭協会理事)
萩原さちこ(城郭ライター・編集者・日本城郭協会理事)

小学2年生のとき城に魅せられる。
執筆業を中心に、メディア・イベント出演、講演、講座など行う。

公益財団法人日本城郭協会理事 兼学術委員会学術委員

主な著書
『わくわく城めぐり』(山と渓谷社)
『日本100名城めぐりの旅』(学研プラス)
『城の科学』(講談社ブルーバックス 2017年)
『江戸城の全貌』(さくら舎 2017年)
『地形と立地から読み解く戦国の城』(マイナビ出版 2018年)
『続日本100名城めぐりの旅』(学研プラス 2018年)
ほか多数

そのほか、新聞や雑誌、WEBサイトでの連載、共著多数
公式サイト「城メグリスト」https://46meg.com/

井伊家第18代当主 井伊 直岳(いい なおたけ)
井伊家第18代当主 井伊 直岳(いい なおたけ)

1969年 三重県に生まれる。
1997年 京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。日本近世史を専攻。
1998年に彦根市に採用され、約17年間新修彦根市史編さん事業に従事した後、文化財課歴史民俗資料室に配属となり、現在同室室長。彦根城博物館館長も務める。

主な著書・論文
『新修彦根市史』第2巻(通史編 近世)・第4巻(通史編 現代)・第11巻(民俗編)・第12巻(便覧・年表)の一部執筆、「京都上使をめぐる井伊家と領民」(『譜代大名井伊家の儀礼』所収)、「江戸時代における彦根城の堀について」(『淡海文化財論叢』第5輯所収)など。

伊東潤(歴史小説家)
伊東潤(歴史小説家)

小説家・歴史作家。早稲田大学社会科学部卒業。小説作品以外の著作に、『城を攻める 城を守る』(講談社新書)『歴史作家の城めぐり』(プレジデント社)『戦国北条記』(PHP研究書)『敗者烈伝』(実業之日本社)などがある。

松下 浩(まつした ひろし)
松下 浩(まつした ひろし)

1963年大阪府生まれ。1990年3月、大阪大学大学院文学研究科修士課程(史学専攻)修了。その後、滋賀県教育委員会事務局文化財保護課、滋賀県安土城郭調査研究所を経て、現在滋賀県文化スポーツ部文化財保護課主幹兼安土城・城郭調査係長。

専門は、戦国・織豊期の政治史、都市史、城郭史。

主要著作
『織田信長 その虚像と実像』(サンライズ出版 2014年)
『覇王信長の海 琵琶湖』(共著 洋泉社 2019年)
『織田信長の城郭』(編著 戎光祥出版 2020年)
『織田信長と天下布武』(『淡海文化財論叢』第四輯 2012年)
『安土行幸をめぐって』(『淡海文化財論叢』第八輯 2016年)
『六角氏と近江の国人』(『淡海文化財論叢』第五輯 2013年)
『観音寺城の構造』(『織豊城郭』16 2016年)

小谷徳彦
小谷徳彦

甲賀市教育委員会事務局 歴史文化財課 所属

1975年 東京都生まれ
立命館大学文学部史学科日本史学専攻 卒業
帝塚山大学大学院人文科学研究科日本伝統文化専攻 修了
独立行政法人奈良文化財研究所の研究補佐員を経て、信楽町役場に入庁
その後、市町村合併により甲賀市役所に勤務 現在に至る
水口岡山城跡の調査担当者となったことを契機に城跡に関わる